竹田人形


竹田人形は江戸時代の寛文年間(1660年頃)に大阪・道頓堀で大いに賑わっていた人形浄瑠璃の劇場「竹田人形座」に由来する郷土人形です。当時、竹田人形座は庶民に親しまれ、連日満員となるほどの人気を誇っていました。その観劇土産として売られていたのが、この竹田人形です。
人形たちは、口を「への字」に曲げた表情、釣り上がった目や眉、歌舞伎に見られる誇張された決めポーズなど、舞台の躍動感や役者の個性をユーモラスに表現しています。また、黒塗りの台座に「格狭間(こうざま)」と呼ばれる飾りがついているのも、竹田人形ならではの特徴です。
竹田人形座は明治時代初期まで続きましたが、その劇場文化とともに竹田人形も時代を超えて語り継がれ、今なお人形文化の一端を担う存在として残されています。
当館では、歌舞伎や人形浄瑠璃の世界観を色濃く反映した竹田人形を展示しています。